ロジカルライティングとエモーショナルライティングの違い

Webライティング(セールスライティング)の種類は「ロジカルライティング」と「エモーショナルライティング」に分けられます。

どちらも、商品やサービスを実際に購入してもらうといった「行動」をうながすことがゴールです。ただ、そこに行き着くまでに「論理的に理解してもらうのか」、それとも「感情的に共感してもらうのか」の違いがあります。

今回は、ロジカルライティングとは異なる、もう1つの方法「エモーショナルライティング」についての覚え書きです。

ロジカルライティングVSエモーショナルライティング

「ロジカル」は、英語で「論理的」を意味する単語。ロジカルライティングとは、論理的でわかりやすい文章を書くための方法です。わかりやすくいえば「筋道を立てる」ともいえます。

つまり、ロジカルライティングでは、伝えたい情報をきちんと整理した上で、筋道を立てながら書いていきます。このブログで以前、紹介した「PREP法・ホールパート法」が、その代表的なものでしょう。

一方の「エモーショナル」は「感情的・情緒的」を意味する英単語です。若い人には「エモい」といったほうがわかりやすいかもしれません。

「エモい」は、「懐かしい」「感傷的」「感動的」「ノスタルジック」「趣がある」「切ない」「物悲しい」といったような、さまざまなニュアンスを含みます。あえてひと言でいえば「人の心に響く」でしょうか。

つまり、エモーショナルライティングとは、人の心を動かす文章を書くことです。そのためにストーリー仕立てにしたり、人の心を動かすテクニックを使ったりします。

では、エモーショナルライティングには、どのようなメリットがあるのでしょう。

エモーショナルライティングのメリットとは?

ロジカルライティングでは、商品やサービスの良さを論理的に説明して、読者に理解してもらう目的で書きます。一方、エモーショナルライティングでは、商品の良さをストーリーで伝えて、読者の心を動かします。方法論は違っていても、どちらも商品やサービスを実際に購入してもらうことがゴールです。

SEO的に評価されるのは、ロジカルライティングのほうです。なぜなら、Googleの検索エンジンは、心を持たないからです。どのように感動的なストーリーで訴えても、クローラーの心は動かせません。(キーワードを巧みにストーリーに折り込めれば、話は別ですが)

ただし、エモーショナルライティングで書いた記事には、読者がストーリーに引き込まれやすくなるため「ページ滞在時間が長くなりやすい」「離脱率が低くなりやすい」といった傾向があります。「ページ滞在時間」や「離脱率」はSEOにも影響する指標なので、一概にSEOと無縁のものではありません。

また、感情に訴えたほうが成果を得やすいはずです。あなたが車を買う場合にも、セールスマンにスペックを延々と説明されるより、新車でドライブに出かける楽しさをアピールされたほうが購入意欲をそそられるはず。ロジカルライティングよりも、エモーショナルライティングのほうが、人の心を動かして、成果に結びつきやすい傾向があるのです。

人間は、理性1:感情9の割合で行動するいわわれています。感情に訴えるエモーショナルライティングが有効なのは、そのためです。エモーショナルライティングを使って書いた記事には、以下のようなメリットがあるでしょう。

  • 記事に興味を持ってもらいやすい
  • 最後まで記事を読む読者が増える
  • 相手に行動を呼びかけやすい

エモーショナルライティングのフレームを覚えよう

「読者の感情を動かす」というと難しく感じる人もいるかもしれません。しかし、安心してください。エモーショナルライティングには、誰でも使えるフレームがあります。そのフレームに従ってライティングすれば、誰でも人の心を動かす文章が書けるのです。

エモーショナルライティングの代表的なフレームが「PASONAの法則」です。私はテレビ業界でも長くライターをやってきましたが、テレビ番組の構成も「PASONAの法則」に則って作られるケースが多くありました。

PASONAの法則では、以下の順番で要素を並べていきます。

  • P:Problem(問題提起)
  • A:Agitation(あおり)
  • SO:Solution(解決策提示)
  • N:Narrow Down(絞り込み)
  • A:Action(行動)

テレビ番組でいえば、通販番組がPASONAの法則で作られているものの代表です。ですから、テレビショッピングをイメージすれば、誰にでもわかりやすいでしょう。

テレビショッピングでは、冒頭で「○○で悩んでいませんか?」と問題提起(Problem)を行うことから始めます。例として「保湿クリーム」のテレビショッピングをエモーショナルライティングで構成してみましょう。

  • Problem(問題提起):お肌の乾燥する季節、つらいですよね。
  • Agitation(あおり):乾燥肌を放置しておくと、老けてみられます。
  • Solution(解決策提示):そこでおすすめなのが、この保湿クリーム。
  • ※なぜ、この保湿クリームがよいかを3ポイントほど紹介して  
  • Narrow Down(絞り込み):今日は限定30名様に特別価格でお届け!
  • Action(行動):売り切れるまえに今すぐ「0120-×××-×××」にお電話を

PASONAの法則は、神田昌典氏がまとめたもので、セールスレターに多く用いられるフレームです。この流れに当てはめて書くことで、人が商品やサービスを買うときの心理に沿ってエモーショナルライティングができます。

エモーショナルライティングには、PASONAの法則以外にも、さまざまなフレームがあります。(AIDMAの法則・AIDCAS法則など)また、次の機会に他のエモーショナルライティングの法則についても述べていきますね。

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