住宅ローンの金利は「固定」か「変動」か?
住宅ローンの月々の返済額や総返済額は、金利のタイプによって変わります。タイプは大きく分けて「固定金利型」と「変動金利型」の2種類。ローンを組む際には、どちらを選べばよいのでしょうか。本記事ではそれぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。迷ったらぜひ参考にしてください。

固定金利型と変動金利型、それぞれの特徴とは?
固定金利型と変動金利型には、どのような違いがあるのでしょうか。まずはそれぞれの特徴について説明します。
金利が変わらない固定金利型
固定金利型は利率が完済までずっと変わらないタイプです。「フラット35」が代表的なものでしょう。
返済期間中の金利とトータルの返済額が契約時に決まるため、毎月の返済額が完済まで定額になります。返済計画が立てやすいのがメリットです。
一方、変動金利型に比べると月々の支払いが高くなるデメリットがあります。
金利が変わる変動金利型
変動金利型は返済期間中も利率が変わるタイプです。経済状況に応じて通常は年に2回、見直しが行われて5年ごとに月々の返済額が変わります。
月々の返済額は固定金利型に比べて低く抑えられているのが一般的です。
ただし、金利が上昇すれば、返済額が増える可能性があります。月々の返済額は5年間、据え置かれますが、その間に金利が上昇していた場合、利子分のお金が本来元金の返済に充てられる部分から差し引かれます。結果、元金の返済が遅れて、トータルの返済額も増えるのです。
多くの利用者が選んでいるのは「変動金利型」
では実際に住宅ローンを利用する人は、どちらを選んでいるのでしょうか?
住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者実態調査」(2021年4月期)によると、変動金利型を選んだ人は68.1%、じつに7割近くです。
選ばれる理由は、金利が低く月々の返済額が抑えられるためでしょう。
2つのタイプでは月々の支払いがどれくらい変わるのか。フラット35の固定金利と、三菱UFJ銀行の変動金利で今、ローンを組んだ場合を比べてみましょう。
5,000万円の物件を35年借り入れた場合、固定金利と変動金利では返済額に月に2万円近くの差が出ます。変動金利を選ぶ人が多いのもうなずけます。
変動金利型の注意点
ただし、金利が上昇すると返済額も上がります。
5,000万円のマイホームを35年ローンで購入する場合、利率が0.5%から2.5%に上がれば、月々の返済額は次のようになります。
利率が0.5%から2.5%に上がるだけで、返済額は5万円近く上がります。2.5%程度の利率は10数年前は当たり前でした。今後もそこまで上がる可能性は否定できません。
金利上昇のリスクを考えた場合、ローンの支払いで家計に余裕がなくなる人は注意が必要です。長期で借りる人や、自己資金が少ない人もリスクは高くなります。そうした人は固定金利型を選んだほうが安心です。史上最低の金利水準の今なら、月々の返済額が低いままずっと固定されるからです。
どちらのタイプを選んでも、メリットとデメリットがあります。中でも今、人気の変動金利型は金利の上昇リスクが高いので注意が必要でしょう。長期間に渡って返済していく住宅ローンは、今後の収入や家庭の状況などが変化する可能性も考えて組むようにしてください。
